2022年から総合商社の株は右肩上がりで上昇を続けていて、業績も好調です。
中でも5大商社は著名投資家ウォーレン・バフェットが株を大量に買ったことで、今や世界中の投資家が注目しています。
しかし、今年(2023年)の9月頃から調整局面を迎えていて、日経平均と同じように冴えない展開が続いています。
そうなると、「そろそろ天井なんじゃないか…?」と思う人は多いはずです。
ですが、長期視点でまだまだ上昇を続ける可能性が高いと考えていて、私はガチホを継続しています。
そこで本記事では、5大商社株の今後の見通しについて解説していきます。
5大商社の特徴
まず最初に五大商社の特徴について、ざっくり見ていきましょう。
5社とも売上構成や、資源・非資源の割合は各々で差があります。
三菱商事(8058)
三菱商事は5大商社の中で、時価総額1位です。
売上構成の資源・非資源の割合は半々で、バランス良く事業分散していることが特徴です。
石油・天然ガス・鉄鋼・銅・アルミなどの資源権益を多く保有。
ローソン(2651)、三菱食品(7451)、千代田化工建設(6366)などの上場企業も三菱商事の傘下になります。
三井物産(8031)
三井物産は5大商社の中で、時価総額は2位です。
資源・非資源の割合は6:4で、資源の割合が高いことが特徴です。
鉄鉱石・原油・ガスなどの資源関連は、総合商社最大の巨大権益を保有。
資源割合が高いこともあり、ロシア・ウクライナ戦争による資源価格の高騰によって、2023年3月期の純利益が商社初の1兆円超えを達成してます。
伊藤忠商事(8001)
伊藤忠商事は5大商社の中で、時価総額は3位となります。
資源比率が最も低いことが特徴で、利益の内訳は資源は3割、非資源は7割くらいの比率となってます。
伊藤忠商事はファミリーマートを100%子会社化していて、上のグラフの「第8」がファミリーマート事業になります。
非資源の割合が多いため、他の5大商社と比べて業績の安定感が高い傾向があります。
丸紅(8002)
丸紅は5大商社の中で、時価総額は4位です。
資源・非資源の割合は半々で、中でも食料に強みを持っていることが特徴です。
食料第二では、畜産物・畜産加工品・飼料などを扱っていて、
食料第一では、小麦粉・砂糖・油脂・乳製品などを扱っており、食料は幅広く網羅されています。
住友商事(8053)
住友商事は5大商社の中で、時価総額は5位です。
資源・非資源の割合は半々で、他の4社に無いメディア・デジタル事業を有していることが特徴です。
資源割合は半々であるものの、過去に資源関連で赤字を何回か出していて、他の4社よりも業績の波が大きい傾向があります。
今後も上昇継続の見通し
今後の商社株の株価見通しについて、解説していきます。
結論から言うと、まだまだ上昇継続の可能性が高いと見ています。ただし、私の独断と偏見ですので、あくまでも参考として考えて下さい。
5大商社と言えば、投資の神様ウォーレンバフェットが株を買った報道もあって、2020年から2023年現在にかけて、一貫して上昇を続けています。
例えば、三菱商事のチャートを見てみると、2022年1月に13年ぶりに上場来高値を更新していて、その後も成長を続けています。
他の4社も同様に上場来高値の更新を続けていて、商社株全体が人気化しています。
では、「商社株が一体どこまで上がるのか?」という予想ですが、テクニカル的には、ここから更に+64%以上の上昇は見込めると思ってます。
(ただし、私の勝手な予想ですので参考程度に考えて下さい。)
こちらのグラフはCRB指数と呼ばれるコモディティ価格の指数になりますが、この価格が過去の最高値まで64%の値幅があるためです。
後述しますが、コモディティ価格の上昇は商社株にとって追い風になります。コモディティとは、小麦や鉱石、原油などの総称です。
このCRB指数が、上昇トレンドを維持すれば過去の最高値付近まで上昇して、商社株も一緒に上がっていく可能性があります。
その後はいったん反落すると思いますが、更に上がるのか、もしくは下落していくのかは、その時の情勢次第です。
ただし、数日・数ヵ月でぐいぐい上がる訳ではなくて、数年の長期スパンになると思うので、途中途中の下落や調整局面では辛抱強さが試されると思います。
以上が、テクニカル的なざっくり予想になります。
また、テクニカル以外にも、次の3つの理由から商社株の上昇を予想していて、私は株を保有しています。
- インフレは商社にとって追い風
- 世界の分断化でインフレは長期化する
- 5大商社は世界の上位5位を独占
インフレは商社にとって追い風
現在は世界中でインフレが加速しています。
万年デフレ国家だった日本でさえインフレが進行していて、皆さんもニュースで散々「インフレが~!」なんて聞いたり、買い物でも値上がりを実感してると思います。
インフレ局面では、値上げによって企業の収益が拡大するので、株式を持っていればインフレと共に資産は拡大するのですが、資産を持たない人は一方的に貧しくなります。
企業でも明暗が分かれてくるのですが、「価格転嫁できる企業」だけが生き残って、それ以外の企業は淘汰されます。
そんな中でも、コモディティの卸売りを得意とする5大商社は価格転嫁に有利な企業です。
モノを作るうえで食品でも工業製品でも、コモディティは上流工程で必要とされるため、インフレした分だけ高く売ることできるからです。
さらに、商社が確保している原油や鉱石、小麦などの資源権益・在庫の価値はインフレで値上がりするため、企業の資産価値も上がります。
製品の付加価値を求められるメーカよりも、価格転嫁へのハードルが格段に低いため、5大商社はインフレによって恩恵を受ける企業だと言えるのです。
コモディティを世界から調達することができる5大商社だからこそ可能なビジネスモデルです。
世界の分断化でインフレは長期化する
インフレは商社によって追い風であると解説しましたが、そのインフレが今後長期化する見込みが高まっています。
つまり、商社の株価は当面、上昇基調が続く可能性が高いということです。
今は欧米諸国と、中国・ロシアの対立が激化してますが、それが諸外国に波及すれば「世界の分断化」へと発展して、インフレの長期化に繋がります。
世界が分断化すれば、サプライチェーンは崩壊して、資源・物資が流通しづらくなるためです。
例えば、ロシア・ウクライナ戦争によって資源価格が高騰したことは、皆さんの記憶にも新しいと思います。
最近では、ハマス・イスラエル戦争も起こっていますし、中国の台湾に対する強硬姿勢も各国の分断化に拍車を掛けています。
こうした状況を考えると、インフレの波は当面静まりづらいのではないかと思ってます。
5大商社は世界の上位5位を独占
日本の5大商社は、商社の分野において世界の上位5位を独占しています。
そのため、資源の調達や権益に関して5大商社が圧倒的に有利だと言えます。
世界の投資家がコモディティ価格に投資しようとした場合に、5大商社が投資先として選ばれやすくなるため、資金流入が期待できると考えてます。
急落リスクはこれ
ここまで商社株が上昇する可能性について説明してきましたが、当然ながら下落リスクもあります。
下落リスクも把握して総合的に購入可否の判断をしなければなりません。
そのリスクというのは、商社は景気敏感株であるということです。
塩野義製薬のような医薬品会社であったり、KDDIのような通信会社だと不況であっても一定の需要があるため、株価は底堅く推移する傾向にあります。
その一方で、商社の株価は不況になると大きく下がりやすいです。
鉱石、原油などの資源は不況時には需要が落ち込みやすく、商社には逆風となるためです。
また、コモディティは価格変動は大きいため、業績が安定しづらく、株価が乱高下する可能性があることにも注意が必要です。
そのため、どんなに見通しが明るくても商社株の保有割合は、資産全体の10%~20%くらいに留めておいた方が、いいと思います。
本記事は以上になります。
皆さんの投資に、少しでも参考になれば幸いです。
最後に、私の書いた考察通りに必ず株価が動く訳ではありませんので、その点をご了承いただいた上で、投資の際は自己責任でお願い致します。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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