ボロ戸建て投資を勉強したい
リフォーム費用の相場を知りたい
ボロ戸建てはどんな費用が掛かるんだろう
このような疑問に役立つ記事です。
以前こちらで紹介した記事で、投資用に中古のボロ戸建を購入し、リフォームしてから賃貸の募集をしました。
そして、無事に入居者が決まりましたので、その経緯やリフォーム内容について実践した内容を紹介していきます。
投資の結果・概要
私が買ったボロ戸建ては、長野県の人口1万弱のエリアで、今も人口減少が進んでいる地域です。
それでも何とか入居者が決まり、家賃が得られるようになりました。
結果は次の通りです。
間取りはこんな感じです。
この度、入居が決まったのはインドネシア人の方たち3名で、地元の企業が法人契約してくれることになりました。
海外から働きに来てくれる人のために、社員寮として使いたいと問い合わせ内容があり、無事に契約に至りました。
法人は最も理想的な契約者で、夜逃げリスク、退去費用トラブルなどが少ないため、とてもありがたい存在です。
物件の宣伝と仲介は、地元のアパマンショップさんにやっていただき、入居後の物件管理も依頼しています。
何か入居者からクレーム・相談があれば、アパマンさんが対応してくれる形になります。
自分の家から2~3時間掛かる遠方物件なので、非常に助かるサービスです。
物件の管理費用は家賃の5%と一般的な相場費用だったので良心的だと思います。(年間で4万7000円くらい)
肝心な利回りについてですが、地方物件で8%というのは、めちゃくちゃ不出来です。笑
後でも触れますが、リフォーム費用を掛け過ぎてしまったことで、利回りが激低になってしまいました。
人口の少ない田舎では、賃貸需要が少なく、賃料も高く取れない等の理由から15~20%くらいの利回りが無いとリスク・リターンが合いません。
反省点は多いものの、不動産業務の経験ができて入居者も付いたので、失敗とは思わず前向きに次に生かすつもりです。
リフォーム費用のまとめ
今回のボロ戸建ての再生にあたり、実際に支払ったリフォームの総額費用は708万円でした。
ちなみに、元々の想定していたリフォーム費用は350万円。
「想定の2倍って流石に外しすぎでしょ…?笑」
めちゃくちゃ高額になってしまいました。。
しかし、決してぼったくられた訳ではなく、リフォーム業者さんや職人さんはコスト・クオリティ共に期待以上でやってくれてます。
詳細は後述しますが、私の相場観が甘くリフォーム費用が想定外になってしまったことが原因です。
反省点を多く残す結果となりました。
とは言え、やってしまったものは仕方がない。。
これだけ費用を掛けて、どのように家が再生できたのか?
いくつか紹介していきます。
外壁塗装・修繕
外壁塗装と修繕のリフォーム費用は、総額133万円でした。
外壁塗装は職人直営の業者に依頼して、安く・高品質に仕上げてもらいました。
外壁塗装は3回塗りが基本で、長野県なので寒冷地仕様の塗料を使用しなければなりません。
3社に相見積もりをしましたが、
- 1社は103万円の提示で、安いけど2回塗り。(論外)
- もう1社は3回塗りだけど130万円と高い。寒冷地仕様ではない塗料。接客も良くない。
今回選んだ業者さんは人柄・知識量・価格の全ての面で頭一つ抜けていて、業者によって顕著にレベル差を感じました。
もちろん、3回塗りで寒冷地仕様の塗料でやってくれてます。
他にも「自社保証」ではなく「外部の認証機関」による5年保証をしてくれてるのも、大きな安心材料でした。
自社保証だと、適当な言い訳を付けて結局保証してくれないトラブルが多いためです。
また、剥がれた軒天井も、1万円と破格に直してくれたのも大きなコストカットになりました。
他の2社は、5万円と6万円の見積りでしたので、ここでも大きく差ができました。
駐車場の拡張工事
駐車場の拡張工事における費用は、総額123万円でした。
庭は広かったのですが、木や岩がたくさんあって、1台の駐車が限界でした。
そこで今回の工事では、木を伐根して岩を除去。
平らに整地してから砂利を敷いて駐車スペースを拡張しています。
さらに、ブロック塀を撤去して入口を広くすることで、ストレス無く駐車が可能になりました。
結果的に、1台しかなかった駐車スペースが、今回の工事で3台駐車可能になりました。
田舎の物件において、駐車場は客付けの生命線です。
駐車スペース次第で、集客性はこのように差が出ます。
- 駐車場無し → 論外
- 1台 → ファミリー向けだと厳しい
- 2台 → 最低限必要な台数
- 3台 → 強力な集客性になる
もちろん、駅近の都心エリアであれば話は違いますが、駐車場は広いほど客付けに有利なのことは間違いないです。
内装リフォーム:廊下
廊下のリフォーム費用は、総額15万8400円でした。
薄暗い砂壁から、白色のクロスに変えるだけで、一気に明るい印象に変わります。
天井に照明が一切無く、夜になると真っ暗になるので、照明を付けてもらいました。
下の写真のようにフローリングは傷だらけで、入った瞬間の第一印象が悪かったので、塗装し直して綺麗に。DIYでやったので6000円で抑えることができました。
内装リフォーム:キッチン
キッチンのリフォーム費用は、総額91万5000円でした。
やはり水回りのキッチン高額になりました。
水道工事は
- 上水道の配管接続
- 給湯器との配管接続(お湯の配管)
- 排水管の接続
など多岐に渡るため高額になります。
写真では分かりづらいのですが、冷蔵庫や電子レンジを置けるスペースが無かったので、備え付けの古い食器棚を解体してスペースを確保しました。
食器棚は古臭くて部屋の雰囲気と合わなかったので、解体の決断は正しかったと思います。
内装リフォーム:リビング
リビングのリフォーム費用は、総額48万9800円でした。
この部屋は和室から洋室に変えて、キッチンとの間仕切りも撤去したことで、間取りの表記上「リビング」にすることができました。
5DKから4LDKへと変更できたことで、集客力は格段にアップします。
「●DK」って古臭いですからね…
洋室化は高くなってしまいますが、集客力のためにリフォームの総額にビビりながらも変更の決断をしました。
内装リフォーム:和室
和室のリフォーム費用は、総額30万8000円でした。
和室は「和モダン」をコンセプトにして、なるべく和室を活かし費用を抑える工夫をしました。
襖は襖紙で貼替えせず、クロス屋さんに黒色のクロスを貼ってもらうことで、安価に仕上げることができました。
他の部屋で壁や天井のクロスをクロス屋さんに貼ってもらっていますが、そのままクロス屋さんに襖まで施工してもらえば、襖の職人に依頼するよりも安く済みます。
襖は裏表の貼替えが必要なので、襖1枚につき2面分の料金が必要です。
襖は全部で8枚あったので16面になりましたが、施工費は2万8000円と破格でリメイクできました。
襖の職人に依頼した場合では、1面5000円で合計9万円の見積りでしたので大幅に削減できたと思います。
一方で、痛手な出費だったのは「床の貼替え工事」で発生した16万円です。
畳を踏むと、底が抜けそうなくらい沈む状況で、床がベコベコになっていたので、根太から新しく組み直してもらいました。
下の写真は、畳を外したときの様子ですが、畳の下の板がベコベコの状態でした。
当たり前ですが、ボロ戸建ては老朽化による出費が多いことを身をもって経験しました…
内装リフォーム:浴室
浴室のリフォーム費用は、総額72万6300円でした。
ここの浴室工事は、かなり安く施工してもらいました。
価格を安く抑えるために、
・現状の壁に浴室パネルを貼る
・タイル床の上にバスシートを貼る
という提案して、施工してもらいました。
そうすることで、現状の浴室を解体工事せずに仕上げることができるため、50万円近く節約できます。
しかし、この施工が可能だったのリフォーム業者は6社のうち2社だけでした。
できないと回答した4社は
「そんな施工やったことも聞いたこともない」
「ホントにそんなこと可能なんですか?」
と言った反応で、逆にできると回答してくれた2社は
「もちろんできます!」
「価格を抑える方法として、ウチでは過去に何度も実績あります!」
と言ってくれました。
業者によって知識レベルに大きく差があることを痛感しました。
下の写真のように、排水口の形状も変えてもらってますが、この変更で8万3000円というのは痛い出費でした。
ですが風呂の雰囲気に絶対合わないと思ってたので、思い切って変更してます。
浴室照明はアイリスオーヤマ製で、ネットで購入したものを設置してもらい価格を抑えてます。
業者によっては施主支給を嫌いますが、今回の業者さんは快諾してくれたので助かりました。
内装リフォーム:洗面所
洗面所のリフォーム費用は、総額15万円でした。
古い洗面台とミラー代は時代錯誤なので、撤去して一新しています。
今時、洗面台は混合水栓じゃないと嫌われますので、マストで要件で手配をお願いしました。
鏡はLEDミラーを採用することで、目新しさを加えることにしました。
内装リフォーム:トイレ
トイレのリフォーム費用は、総額22万8000円でした。
元々あったトイレは写真では分かりづらいですが、だいぶ黄ばんでいて清潔感が無かったので、交換しました。
また、男性用トイレは撤去して、代わりに洗濯機の水栓を設置しています。
そもそも、室内に洗濯機を置くスペースが無かったので、トイレを撤去できるついでに洗濯機スペースを確保できました。
想定外のリフォーム費用
今回のリフォーム費用は想定の2倍以上となってしまった訳ですが、以下の理由から想定外の出費となってしまいました。
・修繕箇所の見落とし
・費用の相場観が甘さ
その中でも特にコストのインパクトが大きかった項目は次の5項目です。
途中からリフォーム費用の見積りを見るたびにビビりまくってましたが、勇気を出して施工の決断をしました。
駐車場の拡張工事費用
こちらは相場観が甘すぎた項目です。
事前にネットでざっくりな価格を調べてましたが、20万円くらいと記載があったのを鵜呑みにしてました。
なので、余裕を持って40万円で想定していたところ、実際には123万円と大幅超過。
重機の導入、伐根、地ならし、残土の処分費などなど…
人件費を除いても、これらは高額な費用を要することが分かりました。
水道管の不凍対策費用
この不凍対策費用は、完全に想定外の費用でした。
不凍水道管へ総入れ替えしたことで20万円。
他にも配管ヒーターや、配管カバーの設置などで5万円くらいかかりました。
長野県という冬期極寒の地域では、水道管が凍結して破裂することは日常茶飯事です。
もちろん、冬に凍結しやすいことは知ってましたが、この物件が全くの凍結対策されていないとは思いもよりませんでした。
水道業者さんを呼んでリフォームの打ち合わせをしていたところ、外の配管を見て業者さんが唖然。
「この配管だと今のまま何も対策しなかったら、毎晩わざわざ水抜きしないと水道管が破裂しますよ。。」
とのこと。
「そんな面倒な物件なんて、絶対に客付けできない…!」
やらざる負えないと判断して施工を依頼。
寒冷地の物件では、凍結対策されているか確認が必要だと学びました。
築浅は大丈夫だと思いますが、築古は要注意です。
60A電源の引き込み工事
こちらも想定外の出費でした。
元々はブレーカ容量が20Aと極小スペックでした。
「20Aだと、電子レンジとエアコンを同時に使用しただけでブレーカ落ちますよ。笑」
とリフォーム業者さんから教えてもらいました。
「そんなゴミスペックじゃファミリーなんて住めないじゃん!!笑」
これも必須インフラと判断して、60Aへ容量を上げることに。
そうなると、道路の電柱から家に引き込む電線を一新しないとダメらしく、分電盤の工事と合わせて10万円掛かりました。
合い見積もりした別の業者さんの見積では、16万~20万円を提示されていたので、これでも相当安くやってくれてます。
水道管の不凍対策もそうですが、目に見えないインフラ部分にお金を掛けることを想定できていなかったのが反省点です。
エアコン電源の新設工事
今や1部屋に1台エアコンがある時代です。
全ての部屋に設置しなくても、設置できるようにコンセントを構えておくのは一般的だと思います。
ですが、この築古物件ではエアコン用のコンセントが無かったため、専用の電源を引き回す工事が必要でした。
それが1カ所につき3万5000円。
この物件の間取り的に、最低でも4カ所(部屋)くらい構えなければ、とてもファミリー向けに賃貸できない状況でした。
ということで、3万5000円×4カ所で14万円の出費。
今自分たちが当たり前のように使ってる設備が使える環境なのか、事前にしっかり見ておくべきでした。
砂壁 → クロス費用
砂壁からクロスへの変更が高額になることを知らず、想定以上の出費となってしまいました。
通常、クロスの貼替えであれば平米単価で1000円ちょっとなのですが、砂壁からクロスにしようとすると2倍以上の金額になります。
結果的に砂壁 → クロスへの変更で14万円かかりました。
それでも変更箇所は最小限に絞っていて、予算の都合上、和室や2階の壁はそのままにしてます。
砂壁の上に直接クロスが貼れないため、砂を落として下地処理をする必要があり、その工数で高くなります。
この物件のほぼ全てが砂壁なので、クロス代が超高額になったしまったことが想定外となりました。
もし、皆さんも戸建てを買う際は、このように共通する箇所が無いか気を付けて見てください。
本記事は以上になりますが、少しでも皆さんの役に立てれば幸いです。
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