2020年に最高値を付けてから2024年現在に掛けて、小林製薬の株価は4年間も下落を続けています。
さらに追い打ちを掛けるように、2024年3月に紅麹サプリの問題が報道されてから、一段の大幅安となったことで、先行きは不安定です。
ホルダーの人、これから狙いたい人など今非常に注目が集まっていますが、これから株価がどうなるのか?気になる人は多いと思います。
そこで、小林製薬の今後の株価の展望や買い時について考察していきたいと思います。
株価の下落理由
小林製薬の株価は2020年の最高値から2024年現在に掛けて、4年間も下落を続けています。その理由は次の2つだと考えています。
- バリュー株への資金流出
- 紅麴サプリ問題
チャートで示すとこのような感じです。
2020年12月に最高値を付けた際は、PERは51倍もあり割高な状態でしたが、丁度この頃から、日本株全体で配当利回りの高いバリュー株を買う流れが進み、利回りの低いグロース株は軒並み暴落しました。
例えば、グロース株で絶大な人気を誇っていたエムスリーとモノタロウのチャートを見れば分かるように、どちらも同じような時期に最高値をピークにして下落しています。
小林製薬はグロース株とは言えませんが、利回りの低い銘柄であったため、同じように売られてしまったと考えられます。
ちなみに、この下落期間中でも小林製薬の業績は好調で、純利益26期連続増益を達成しています。
「業績が良いのになぜ株価が下落しているのか?」という印象でしたが、やはりPERの割高感や配当利回りの低さから、もっと高利回りなバリュー株へ資金が流出してしまったと考えています。
下落基調が続くなかで、更に追い打ちを掛ける出来事となったのが、2024年3月に報道された紅麴サプリ問題です。
この報道をきっかけに株価はストップ安。これは明確な悪材料なので、この下落は仕方ないと言えます。
現在は一時的に反発していますが、先行きは不透明で予断を許さない状況です。
では、次のパートでは株価の展望について考察したいと思います。
今後の展望・買い時
小林製薬の株価の展望について、結論から言うと1~2年ほど横這いしてから徐々に上昇していくと考えてます。
しかし、株価はまだ割高であるため、もし私が買うのであれば4100円まで下がるのを待ちます。
私の独断と偏見なので、あくまでも参考意見として捉えて下さい。
テクニカル分析
まずはチャートからテクニカル分析をしてみます。
小林製薬の直近のチャートを見ると、紅麹サプリの問題によって大きく窓開けて株価が下落しています。
テクニカル的には、窓開けてしまうと、株価が上昇して窓埋めしたあたりで跳ね返されることが多く、なかなかブレイクできない傾向にあります。
つまり、6000円付近で窓を開けて下落しているので、6000円まで回復したあたりで下落圧力が掛かりやすくなります。
例えば、こちらのチャートは日本M&Aセンターホールディングスのチャートですが、このチャートを見ると1080円あたりで窓開けて大きく下落し、再び1080円まで回復したものの、一気に株価が跳ね返されて、下落していることが分かります。
同じように小林製薬も、窓をブレイクできずに、1年~2年ほど横ばいに推移するのではないかと予想をしています。
ファンダメンタルズ分析
次に業績の視点からファンダメンタルズ分析をします。
まず、話題になっている紅麴サプリ問題のインパクトですが、実は現時点ではそこまで大きくないです。
最近公式に発表された内容では、紅麴サプリ問題による特別損失は38億円で、全体の売上高は1734億円になる予想だと発表されています。
売上高に対して、損失は2.2%程度なので、このまま悪材料が出なければ軽微に済みそうです。
また、小林製薬の営業利益は14.9%、ROEは10.1%、ROAは7.7%と稼ぐ力は非常に強いです。
そのため、長期的には株価が上昇する可能性の方が高いと言えます。
ただし、現在のPERは約20倍と、まだまだ割安とは言えない状況です。
一般的に割安とされるのはPER15倍ですが、その時の株価は4100円になります。
さらに現在の配当利回りは1.85%なので、利回り狙いで買えるような水準ではありません。
もちろん、ここから「株価がV字回復」というシナリオも考えられますが、今以上に下がった場合や予想以上に横ばい期間が長引いた場合、もう少し配当利回りが高くなければガチホは精神的にキツイです。
以上のことから、株価がやや割高で、配当利回りも低いという状況なので、現時点での投資妙味は薄いと考えてます。
まとめ
現在の小林製薬の下落要因は主に以下2つになります。
- バリュー株への資金流出
- 紅麴サプリ問題
今後の展望としては、1~2年ほど横這いしてから徐々に上昇していくと予想してます。
しかし、現在の株価はPER20倍とやや割高で、配当利回りは1.85%と低いです。
株価が4100円まで下がれば、PER15倍なので割安と判断できるため積極的に買いたいですが、リスクリターン的に現状は投資妙味が薄いと言えそうです。
本記事は以上になります。
皆さんの投資に、少しでも参考になれば幸いです。
最後に、私の書いた考察通りに必ず株価が動く訳ではありませんので、その点をご了承いただいた上で、投資の際は自己責任でお願い致します。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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