株式投資で安定した利益を出すには、ポートフォリオが重要です。
日本株を買ってみたものの、なかなか利益が出ない・・・
浮き沈みも激しくて安心できない
このように悩む人は多いのではないでしょうか?
その原因として、保有している銘柄数や、景気サイクルを意識したセクター配分が不適切な可能性があります。
本記事では、それらをしっかりと説明したうえで、オススメの銘柄についても紹介していきます。
ポートフォリオの作り方
ポートフォリオは以下3つの手順で作成します。
- 保有銘柄数を決める
- 景気サイクルに応じたセクター配分を決める
- 個別銘柄を選定する
そんな複雑なことはなくて、誰でもに簡単にできます。
今回紹介する方法を5年、10年と長期で継続すれば、しっかりと収益化できると思ってます。
長期投資を前提にしたポートフォリオなので、短期で売買しないことが唯一の注意点です。
なので、暴落して辞めたくなっても、爆上がりして利確の誘惑があったとしても、ひたすら持ち続けて金のなる木を育て上げましょう。
では、順番に解説していきます。
保有銘柄数を決める
まず最初に何銘柄を保有するか決めます。
資金量にもよりますが、だいたい10~30銘柄くらい持っておけばOKだと考えてます。
当然ですが2,3銘柄くらいの集中投資だと、どれか1社が倒産するだけで致命的な損失になりますので、分散投資が必須です。
こちらの図は、自分の保有する銘柄が1社倒産してしまった場合に、総資産にどれだけ影響するかを示したグラフです。
当然ですが、1銘柄しか持っていなければ、倒産すると総資産は100%全て無くなってしまいます。
しかし、2銘柄であれば50%、10銘柄であれば10%というように、銘柄数を増やすことでリスク分散ができます。
グラフを見て分かるように、保有銘柄数をどれだけ増やしても、途中から下落率をそこまで低減できなくて、曲線がなだらかになっていきます。
なので、10~30銘柄くらいの分散で十分と考えてます。
もちろん資金に余裕があれば、もっと色んな銘柄を買って楽しむのも全然アリです。
株は辞めないことが重要なので、楽しんで継続できるなら、保有数を制限しない方が成功すると思ってます。
景気サイクルに応じたセクター配分の決定
まず最初に、景気循環別にセクター配分を決めます。
セクターとは業種のことで、株を購入する際には、銘柄だけでなくセクターの分散も重要です。
例えば、10銘柄の株を買っても、それらが同業種だったとしたら全く意味がありません。
同じセクターの株は同じような値動きをするので、強いときはいいんですが、なにか悪材料が出ると全部まとめてコケます。
それで、セクターの性質として必ず覚えておきたいのは、景気局面によって、強気なセクターは変わっていくということです。
景気局面は主に4つあって、それらのフェーズでどのセクターが強気なのか分類すると、次の通りになります。
ポートフォリオを作るときは、各フェーズに強いセクターを最低1つ保有するようにします。
例えば、10銘柄保有する場合は、「好況3銘柄、後退1銘柄、不況3銘柄、回復3銘柄」みたいな感じで配分を決めます。
ちなみに、不況に強いとされるトイレタリー、食料、飲料、通信、医療、医薬品、介護、公共、インフラなどのセクターはディフェンシブ銘柄とも言われます。
反対に好況、後退、回復局面で強い銘柄は景気敏感株と言われます。
ディフェンシブ銘柄は「不況時に株価が上がりやすい」わけではなく、「不況時に景気敏感株よりも株価が下がりにくい」という理解が正しいです。
生活に必須なものを扱う業種なので、不況でも一定の需要があることから、ディフェンシブ銘柄の業績は堅調に推移しやすくて、株価が下支えされやすいです。
ただし、好況時は景気敏感株よりも株価上昇がイマイチな傾向にあります。
不況時の値下がり幅 | 好況時の値上がり幅 | |
ディフェンシブ銘柄 | 小さい | 小さい |
景気敏感株 | 大きい | 大きい |
これを踏まえて、堅実に運用したい人は、「好況2銘柄、後退1銘柄、不況5銘柄、回復2銘柄」といった具合で、ディフェンシブ銘柄を多めにするのも有効です。
個別銘柄の選定
セクターの配分が決まったら、個別銘柄を選んでいきます。
業績を確認しながら好きな銘柄を選んでいけばOKです。
重要な業績と銘柄選定の方法については、こちらの記事でまとめてます。
とは言え、銘柄選びに慣れていない人もいると思うので、私の独断で厳選した30銘柄についも紹介します。
厳選30銘柄はこちら
こちらが厳選した30銘柄です。景気サイクルごとに強気なセクターで、表をまとめてます。
「好況」で強い銘柄
No. | セクター | 銘柄 | ROE | 配当状況 | 利回り |
1 | 機械 | ファナック | 10.83% | 業績連動 | 2.13% |
2 | 化学 | 日産化学 | 19.37% | 11年連続増配 | 2.61% |
3 | 化学 | 信越化学 | 19.68% | 8年連続増配 | 2.17% |
4 | 商社 | 三井物産 | 18.89% | 累進配当 | 2.76% |
5 | 商社 | 伊藤忠商事 | 17.75% | 8年連続増配 | 2.84% |
6 | 商社 | 三菱商事 | 15.79% | 累進配当 | 2.81% |
7 | 機械 | コマツ | 13.68% | 業績連動 | 3.50% |
8 | 機械 | SMC | 13.80% | 累進配当 | 1.19% |
9 | ゴム | ブリヂストン | 10.74% | 業績連動 | 3.46% |
「後退」で強い銘柄
No. | セクター | 銘柄 | ROE | 配当状況 | 利回り |
10 | エネルギー | INPEX | 12.70% | 業績連動 | 3.48% |
「不況」で強い銘柄
No. | セクター | 銘柄 | ROE | 配当状況 | 利回り |
11 | 通信 | KDDI | 13.41% | 21年連続増配 | 3.25% |
12 | 通信 | 日本電信電話 | 14.40% | 12年連続増配 | 3.11% |
13 | 通信 | 沖縄セルラー電話 | 11.11% | 21年連続増配 | 3.00% |
14 | ヘルスケア | エムスリー | 17.50% | 10年連続増配 | 0.58% |
15 | ヘルスケア | 日本ケアサプライ | 9.59% | 累進配当 | 4.03% |
16 | ヘルスケア | 塩野義製薬 | 17.82% | 11年連続増配 | 2.53% |
17 | ヘルスケア | 中外製薬 | 28.67% | 6年連続増配 | 1.95% |
18 | 飲料 | アサヒGH | 7.94% | 16年連続増配 | 2.02% |
19 | インフラ | 東海旅客鉄道 | 5.99% | 業績連動 | 0.78% |
20 | インフラ | 九州旅客鉄道 | 7.85% | 累進配当 | 3.00% |
21 | インフラ | ショーボンドHD | 13.37% | 15年連続増配 | 2.21% |
「回復」で強い銘柄
No. | セクター | 銘柄 | ROE | 配当状況 | 利回り |
22 | 電気 | キーエンス | 15.56% | 業績連動 | 0.45% |
23 | 電気 | 東京エレクトロン | 32.27% | 業績連動 | 1.57% |
24 | 金融 | 三菱UFJ・FG | 6.52% | 累進配当 | 3.80% |
25 | 金融 | 三井住友FG | 6.50% | 累進配当 | 3.93% |
26 | 金融 | オリックス | 8.25% | 累進配当 | 3.52% |
27 | 不動産 | ヒューリック | 11.95% | 9年連続増配 | 3.70% |
28 | 保険 | 全国保証 | 14.64% | 11年連続増配 | 3.42% |
29 | 保険 | 東京海上HD | 9.84% | 累進配当 | 3.76% |
30 | 証券 | 日本取引所グループ | 14.75% | 業績連動 | 2.38% |
いくつか補足です。
この表のセクターは、事業内容の実態に合わせて私の独断で分類してます。
例えば、ショーボンドHDは建築セクターに属してますが、事業内容がインフラ補修・強化がメインなので、この表では不況に強い「インフラ」に分類してます。
今回紹介してませんが、都市開発などをメインにしてるゼネコンなんかは好況に強い「建築」の分類になります。
商社に関しては、「好況」に分類してますが、エネルギー資源を持っているので「後退」の局面でも株価の下支えが期待できます。
ただし、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産ともエネルギー事業の割合はだいたい20%前後なので、石油を専門に扱うINPEXの方が後退局面は有利になります。
キーエンスや東京エレクトロンのような購入単価が高い銘柄は、SBI証券でやってるような、1株から買えるサービスを利用して買うのも良いかと思います。
銘柄の選定理由
今回紹介した銘柄は、「値上がり益」もしくは「安定した配当」が狙えそうなものを厳選しました。
それをどうやって判断しているのか?
というと、このような感じです。
これら2つのポイントについて、もう少し説明します。
「値上がり益」を狙うポイント
値上がり益を狙う銘柄は、収益力に着目します。
その指標となるのがROEで、10%以上ある銘柄を選びます。ROEが高い企業は長期に渡って株価が成長し続ける傾向にあるので、必ずチェックです。
逆に低ROEの企業だと、10年以上も株価が横這いなんて状況がざらなので、そんな企業に値上がり益は期待できないです。
ただし、JR東海だけ例外な点があって、値上がり狙い銘柄ですが、ROEが現時点では10%以下です。コロナショック以前は、常に10%以上をキープしていたので、一時的な落ち込みと判断してます。コロナも落ち着いてきた現在は業績が急回復してますので、近いうち10%を超えると考えてます。
簡略化の都合で表には載せてないんですが、ROE以外にも、ROAや営業利益率も収益力に関係するので、セットで確認した方がいいです。紹介した銘柄は、これらの数値も優秀です。
指標の意味や詳細については、こちらの記事で解説しています。
「安定した配当」を狙うポイント
配当を重視する銘柄は、連続増配や累進配当に着目します。
連続増配というのは、毎年配当の金額を増やしてくれることです。
累進配当は、減配せずに配当額を維持するか、増配することを言います。なので株主的には連続増配の方がありがたいですね。
累進配当や連続増配を実行できている企業は、今後も減配リスクが低く、安定した配当が期待できます。
特に不況局面では各社がこぞって減配を発表するので、株価の下落に拍車が掛かりますが、安定配当の企業であれば株価の下落は小さく、配当を受け取りながら気長に次の強気相場を待つこともできます。
以上のポイントをチェックして選んだのが、先ほど紹介した30銘柄です。私の好みが偏ったところもあるかもしれませんが、皆さんの銘柄選びの参考になれば幸いです。
本記事では日本株を中心に解説しましたが、海外のポートフォリオにも興味がある場合は、こちらの記事もご参考下さい。
本記事は以上になります。
皆さんの投資に、少しでも参考になれば幸いです。
最後に、私の書いた考察通りに必ず株価が動く訳ではありませんので、その点をご了承いただいた上で、投資の際は自己責任でお願い致します。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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