以下の悩みを解決します!
- 長期投資で勝率を上げる方法が知りたい
- 優良株の選び方を知りたい
- 業績の指標を理解したい
この記事では、長期投資で銘柄選定する際に、誰でも勝率を上げることができる5つのポイントを紹介します。
特別な情報やテクニックなんかも全く必要ありません。
ただし当然ですが、ソッコーで稼げるような都合の良い話ではなく、何年も時間を掛ける必要があります。
短期投資ではないことを予め理解しておいて下さい。
選ぶポイントさえ把握していれば、誰でも簡単に優良銘柄を探し出すことが可能です。
長期投資で見るべき5つのポイント
長期投資において、以下の5つのポイントを確認して銘柄を選定すれば、着実に値上がり益を得ることができます。
長期投資で見るべき5つのポイント
- 売上高・営業利益率
- ROE・ROA
- 自己資本比率
- EPS
- 株価チャート
実際に私はこのポイントを満たす銘柄を厳選して買っています。
では、次のパートから見るべきポイントの詳細と、KDDI(9433)の業績を例に説明していきます。
売上高・営業利益率で見るべきポイント
1つ目のポイントは、売上高が右肩上がりで、営業利益率が10%以上あることです。
売上高は説明不要かと思いますが、営業利益率について簡単に解説します。
本業の儲けを表した指標です。
営業利益率とは「本業の儲け」を示す指標で、営業利益率が高いほど競争力が高く、儲かるビジネスをしていることになります。
「本業の儲け」と言うのは、主力事業で得られた利益という認識でOKです。
例えば、家電メーカなら家電を売って得られた利益が、営業利益になります。
一方で、建物・土地の売却益や、円安などで為替利益が出た場合は、「本業の儲け」とはならず営業利益には含まれません。
例えば、KDDIの売上高を見てみると、下図のように右肩上がりで推移していることが分かります。
次に、営業利益率を見てみると、常に10%以上で推移していることが分かります。
仮に、売上高が右肩上がりでも、営業利益率が10%以上を確保できていなければ、私は長期保有銘柄の対象外としています。
ROE・ROAで見るべきポイント
2つ目のポイントは、ROEが10%以上、ROAが5%以上あることです。
ROE、ROAは収益力を示す指標で、数値が高いほど高率良く経営していることになります。
ROEとROAについては、こちらの記事で詳しく解説してますので、良ければご参考下さい。
実際にKDDIの数値を見てみると、常にROEは10%以上、ROAは5%以上を維持していることが分かります。
KDDIのように、長期で何年も水準以上を維持していることが理想的です。
毎年ROE, ROAの数値が大きく変動するような銘柄では、持続的な収益は期待できません。
自己資本比率で見るべきポイント
3つ目のポイントは、自己資本比率が40%以上あることです。
自己資本比率とは、会社の財務健全性を測る指標で、数値が高いほど借金が少なく、倒産リスクが低くなります。
ただし、「金融業」と「その他金融業」に関してはビジネスモデル上、自己資本比率が低くなるので、あまり気にしなくてもOKです。
実際、銀行最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループの自己資本比率は4.6%、総合リース最大手のオリックスは22.9%となっています。
それ以外の業種で40%以上無ければ、私は長期保有の投資対象にしていません。
KDDIの自己資本比率は45%なので、問題無しです。
EPSで見るべきポイント
4つ目のポイントは、EPSが右肩上がりであることです。
EPSが右肩上がりであれば、理論上は株価も右肩上がりで成長します。
EPSをカンタンに解説
EPSとは「1株あたり純利益」を示す指標で、株価の理論値とも言われます。
例えば、EPSが100円の株があったとすると、株価は100円が理論値となります。
しかし、実際には「株価 = EPS」とはならず、EPSが100円の銘柄は、ざっくりですが株価が1500円くらいだったりします。
その理由は、EPSに対して「将来の成長性を見込んだ期待値」が上乗せされるためです。
この例では、EPS 100円に対して株価1500円と、15倍の値段が付いてますが、この15倍が「将来の成長性を見込んだ期待値」となります。
そして、この期待値のことを一般的にPERと呼びます。
つまり、「将来めっちゃ利益出しそう!」という投資家の期待値(PER)が大きい程、株価は理論値(EPS)よりも高くなっていく訳です。
ここまでの流れをまとめると、株価は以下の式で表現できます。
株価 = PER × EPS
EPSという株価の理論値に、PERという日々の変化する投資家の期待値が加わり、現在の株価は決まっています。
実際にEPSが右肩上がりとなっているKDDIの業績を見てみましょう。
KDDIは景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄なので、非常に安定して成長しています。
後でチャートも紹介しますが、このような銘柄は長期に渡って何年も株価の成長が期待できます。
株価チャートで見るべきポイント
最後のポイントは、株価チャートが長期で右肩上がりであることです。
これまでのポイントを全て満足している銘柄であれば、ほぼ確実に右肩上がりになっています。
10年、20年、30年と長期で右肩上がりである程、良いチャートです。
1,2年で急激に上がったチャートは一発屋の可能性があるので、対象外です。
右肩上がりのチャートが重要な理由
株価は短期的には目先の期待や失望で大きく上下することはありますが、長期的には業績に見合った株価に回帰します。
短期ではノイズのように上下しても、長期ではあるべき株価に落ち着くということです。
そのため、好業績で推移している銘柄は、長期で見ると右肩上がりのチャートを形成している場合が多いです。
逆に、ボロボロな業績だったり、話題性だけで上がっているバブル銘柄では、長期で上昇を続けることは難しいため、右肩上がりのチャートは形成できません。
よくある勘違い
- 何年も右肩下がりのチャートを、「バーゲンセールじゃん!」と思うこと
- 長期で右肩上がりのチャートを見て、「今は上がりすぎなんじゃない?」と思うこと
この2つの考えは、どちらも勘違いです。
1、2年の下落であれば、業績を伴った企業でもよくあることですが、10年近く下落を続けているのであれば企業の体質に問題ありと見て、投資しないことが賢明です。
また、一時のブームで、暴騰している株価を危険視するのは正しい判断ですが、10年、20年の長期で上昇ている株価は、業績という根拠があって上がっています。
チャートには企業の体質がそのまま映し出されるので、右肩上がりの健全な銘柄を選ぶ方が、その後も長期で安定した上昇が期待できます。
実際のチャート
ここまで右肩上がりのチャートを推奨してきましたが、実際のチャートを紹介します。
上のチャートを見て分かるように、KDDIの株価は直近10年間で順調に上昇を続けています。
ここまでの説明で見てきたように、「売上高・営業利益率」、「ROE・ROA」、「自己資本比率」、「EPS」、「株価チャート」の全ての条件が揃ったことを確認して、ようやく買いの判断ができるようになります。
業績の調べ方
ここまで、長期投資で見るべき5つのポイントを紹介してきましたが、「実際にどうやって業績を調べたら良いのか?」その方法について紹介します。
IR BANKを使う
業績を調べる方法として、IR BANKを使うことをオススメしています。
IR BANKを使うメリットは以下の通りです。
- 過去の業績が一目で分かる
- 無料・登録不要で誰でも使える
企業HPの決算資料を読んで調べる方法もありますが、それでは過去何年も調べるのに時間が掛かりますので、銘柄を探す際にはIR BANKのように一目で分かる方が便利です。
業績の確認方法
- IR BANKのトップ画面で、検索したい銘柄を入力します。
今回の例では、「KDDI」を入力して紹介していきます。
- 検索でヒットした銘柄をクリックします
- 左端にある「決算」をクリックします
- 確認すべき業績(売上高、営業利益率、ROE、ROA、EPS)が表示されます。
「営業収益」は「売上高」のことで、「営利率」は「営業利益率」を示しています。
- 「4.」と同じページを下にスクロールしていくと、自己資本比率が確認できます。
以上のように、IR BANKを使うことで、過去10年以上の業績が確認できるようになるので、銘柄選択する際には、必ず見るようにしましょう。
注意点
最後に注意点と大事な考え方をお伝えします。
この考えを理解しなければ、せっかくの優良銘柄を活かせず、台無しになってしまうためです。
保有し続けるメンタル
「優良株を5~10年ただ持っているだけでOKです」と言っても、それまで本当に保有を継続できる人はきっと僅かです。
と言うのも、大半の人は大暴落で狼狽売りしたり、上昇した目先の利益に目がくらんで売ってしまうためです。
大勝利へ向かう列車にせっかく乗れたのに、目的地の遥か手前で途中下車してまうようなものです。
目先の1、2年のパフォーマンスで一喜一憂しないことが長期投資の大鉄則です。
1つの銘柄に集中しない
どんな優良銘柄・好きな銘柄であっても、そこだけに集中投資せずに、必ず複数の銘柄を買ってリスク分散しましょう。
その1銘柄が倒産してしまえば、二度と投資ができなくなる可能性があるためです。
また、その銘柄のパフォーマンスが悪い時に、別の銘柄が牽引してくれることも多々あるので、精神的にも楽に運用ができるようになります。
まとめ
ここまで説明してきた、長期投資でチェックすべきポイントをもう一度整理します。
- 売上高 → 右肩上がりであること
- 営業利益率 → 10%以上であること
- ROE → 10%以上であること
- ROA → 5%以上であること
- 自己資本比率 → 40%以上であること
- EPS → 右肩上がりであること
- 株価チャート → 右肩上がりであること
上記の条件を全て満たす銘柄を買うことで、安定した収益が見込めるはずです。
ただし、5年~10年長期間を前提としているので、目先1、2年のパフォーマンスでメンタルを左右されず、どっしりと構えた投資が必要です。
業績はIR BANKを使うと、カンタンに調べることができます。
本記事は以上になります。
皆さんの投資に、少しでも参考になれば幸いです。
最後に、私の書いた考察通りに必ず株価が動く訳ではありませんので、その点をご了承いただいた上で、投資の際は自己責任でお願い致します。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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